キャリア教育
Career Counseling
2014年オックスフォード大学のマイケル・A・オズボーン博士が論文「未来の雇用」を発表しました。その中で「今後10~20年程度で、米国の総雇用者の約47%の仕事が自動化されるリスクが高い」という結論に至ったのです。この結論は、「消える職業」として社会にセンセーショナルを起こしました。
この論文に象徴されるように、現代の子どもたちが大人になるころの社会は、現代の大人が生きる社会とはパラダイムが変化したものなっていることでしょう。そんな予測のできない社会を生き抜く力を子どもたちに身に着けてほしいと願っています。NPO鳳雛塾が考える「生きる力」は「自ら考え、自ら学び、自ら行動する力」と「人とつながる力」です。さらに、それらにつながるマインドが「起業家精神」だと考えています。
鳳雛塾は、佐賀県内外の各団体のご協力を得て、多くの子どもたちに対して実践的なキャリア教育事業を行います。そして、戦略的思考、起業家精神を養い、これからの混迷の時代をリードできる子どもたちを育成します。
子どもたちが夢や希望を抱き、次世代を担う起業家精神旺盛な大人になるためには、子ども(小中学生)の時代から、多くの大人や職業と出会う機会を広げ、健全な職業観の醸成を行う「キャリア教育」が重要です。
全国各地で、私たちと志を同じくするNPO団体や民間企業など「キャリア教育の担い手たち」が地域の子どもたちにさまざまな大人との出会いや、職業経験の機会を創造しようと取り組んでいます。
「キャリア教育プロジェクト」では、“学校から社会へつなげる”ことをテーマに、子どもたちを対象としたキャリア教育を推進しています。産業界(団体や企業)や行政などさまざまな角度からキャリア教育に支援が行われています。
佐賀県では他県に先駆けた先進的な取り組みとして起業家精神(アントレプレナーシップ)の涵養教育(=起業家教育)に積極的に取り組んでいます。初期においては、主に大学・社会人などの起業等を目指す若者に対して実施してきました。この人材育成事業は佐賀県全体の活性化に繋がる重要施策のひとつとして位置付けられています。
子どもたちへのキャリア教育モデル事業(佐賀モデル)では、社会人に取り組んできたケースメソッドを用いたビジネススクール形式の実践的な経済・経営教育をベースにプログラムを組み立てています。
体験活動(販売体験や就業体験)、企業への提案活動等を採り入れた起業家教育を、小学生・中学生・高校生の授業に導入し、「自ら考え、自ら学び、自ら行動する力」と「人とつながる力」という「生きる力」を養成するキャリア教育を実施しています。生きる力につながるマインドを起業家精神(アントレプレナーシップ:必ずしも起業することが目的でない)とし、生き生きと生きる社会人と子どもたちとの接点を設けています。
また、実施に際しては、地元企業や産業界、教育界、行政や保護者などに及ぶ広範なネットワークを活用しながら、地域ぐるみで子どもたちを育てる環境を整えていきます。
これらの取り組みを実施することによって、幅広いビジネスキャリア能力をもった子どもたちが養成され、将来の佐賀県を担う人材を数多く輩出することを目的としています。
地域の産学官が一体となった「キャリア教育プロジェクト」は、経済産業省の主導のもと地域自律・民間活用型「キャリア教育プロジェクト」として2005年度から全国各地ではじまりました。佐賀で実施するキャリア教育は、2008年から佐賀市との連携で「体験型起業家育成教育推進事業」として新たにスタートしています。
地域の特色やアイデアを活かしたキャリア教育を実践する「民間コーディネーター」が学校現場と連携しながら、地元産業界、教育委員会、自治体、PTAなどと一体となって行う「地域に根ざしたキャリア教育」の推進と定着を図っています。
従来から行われていたキャリア教育に比べ、地域の地場産業や商工会議所など産業界を巻き込む動きが大きな違いです。やがては自分たちが雇用することになる子どもたちが健全であるために、その子ども時代の教育に産業界も関わっていく仕組みです。